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【CGパースの外注】制作会社と個人事業主、どちらに依頼すべき?設計者が知っておきたい選択基準

  • 執筆者の写真: Seeker Creaiton
    Seeker Creaiton
  • 7 日前
  • 読了時間: 15分

更新日:1 日前

CGパース外注先選び:制作会社と個人事業主(フリーランス)の違い

建築プレゼンの成否を左右する「CGパース」。 いざ外注しようと検索すると、数多くの「制作会社」と「個人事業主(フリーランス)」が見つかります。

「会社組織の方が安心そうだが、コストが高い…」 「個人は小回りが利きそうだが、クオリティに不安がある…」

このように、費用・納期・質のバランスで迷われる設計者様は非常に多いです。本記事では、業界の構造を紐解きながら、貴社のプロジェクトにとって「本当に正しい選択基準」をプロの視点から解説します。



▼目次

1.CGパースの外注先選びで、なぜ多くの設計者が迷うのか?










CGパースの外注先選びで、なぜ多くの設計者が迷うのか?

建築パースの制作会社選びで、提示された条件(高価格・低品質・遅い納期)を前に葛藤するスーツ姿の設計士

CGパース制作を外注しようとネットで検索しても、出てくるのは大手から個人まで多種多様。価格帯もバラバラで、ポートフォリオはどれも綺麗に見えます。「結局、どこが一番自分たちのプロジェクトにフィットするのか?」と、頭を悩ませてしまうのは無理もありません。設計者様が外注先選びで迷宮入りしてしまう背景には、業界独自の「正解の見えにくさ」という問題が存在します。

先ずは問題の提起をしてみましょう。


「費用」:業界標準価格のない見積もり

建築CG業界には統一された価格表が存在しません。同じ図面で見積もりを取っても、制作会社が10万円、個人が3万円という価格差が出ることは珍しくありません。この差は単純なスキルの優劣ではなく、会社の維持費や広告費、あるいは「どこまでの修正対応を含むか」といったサービス設計の違いから生まれています。

こうした背景から、各制作会社が提示している料金表は、あくまで「最低限の目安」として捉えておくのが賢明です。 建築プロジェクトは一つひとつが唯一無二であり、建物の複雑さや、納品までに必要な修正の回数が現場ごとに異なるため、料金表通りに収まらないケースも少なくありません。


【対策:コストの不安を解消する方法】

必ず個別の見積もりを取得する 「この世に同じ建物は2つと存在しない」からこそ、目安の金額で判断せず、具体的な計画ボリュームを伝えて個別に見積もりを取りましょう。金額の安さだけでなく「どこからが追加費用(修正回数の上限や、大幅な設計変更など)になるのか」という条件を事前に明確にしておくことが、後のトラブルを防ぐ最大のポイントです。


予算に合わせた「逆算の相談」をする もし予算が確定している場合は、正直にそれを伝えた上で「この予算内で可能なカット数やクオリティ」を相談してみるのも一つの手です。経験豊富な制作者であれば、限られた予算内で最大限の効果を出すための工夫を提案してくれるはずです。

「納期」:キャパシティの不透明さ

「いつまでに納品可能か」という基準も、外注先によって大きく異なります。組織力で力技の短納期をこなす会社もあれば、一人のクリエイターが丁寧に向き合うために時間を要する個人もいます。プロジェクトの締め切りが迫る中で、この「スピード感のズレ」は大きなリスクとなります。


【対策:理想的なスケジュールを確保する初動】

図面や資料がすべて揃うのを待つ必要はありません。プロジェクトが動き出した段階で、まずはスケジュールの空き確認や予約を入れましょう。 その際、「ざっくりとした計画のボリューム」や「必要なパース枚数」を伝えることで、具体的な納期の目安を引き出すことができます。希望納期がある場合は、この初動の段階で伝えておくのが、スムーズな進行の最大のコツです。

「質」:ポートフォリオだけでは見えない「対応力」

WEBサイトに並ぶ美麗なポートフォリオは、あくまで「過去のベストショット」です。実際の業務では、設計者の意図をどれだけ汲み取ってくれるか、図面の変更に柔軟にミスなく対応してくれるかといった「プロとしての対応力」が重要になります。しかし、これらは契約前に見極めるのが非常に難しいため、設計者様を悩ませる要因となっています。 【対策:見極めのポイント】

  • 公開実績の背景を確認する Webサイトやニュース等のメディアに掲載された実績があるか確認してみましょう。公の場に出ている作品は、クライアントからの信頼と質の証です。ただし、契約上の守秘義務や所有権の関係で詳細を伏せている場合もあるため、その際は「他に詳細の公開許可が得られている事例がないか」を尋ねてみるのがスマートです。

  • 「建築の理解度」を対話で測る 初期のやり取りで、手持ちの図面に対して「整合性」や「収まりの矛盾」を指摘してくれるか、あるいは専門用語がスムーズに通じるかを確認してみましょう。図面を読み込む力がある制作者なら、完成後の「イメージのズレ」を最小限に抑えることができます。


  外注先選びの失敗が、設計業務に与える致命的なダメージ

建築パースの業者選びを失敗し、プロジェクトの危機に直面してうなだれる設計士。外注選定ミスによる手戻りやコスト増の代償。

設計実務におけるリスクを最小限に抑えるために、失敗の要因を具体的に紐解いていきましょう。


予算のオーバーと支払いトラブル

納品後の請求額が想定を超えてしまい、トラブルに発展するケースは少なくありません。特に「修正費用」や「特急料金」の定義が曖昧な場合に起こりやすい問題です。

【対策】 

制作開始前にプロジェクトのボリュームを伝え、必ず見積書を取得しましょう。また、口頭ではなく「発注書」を取り交わすことで、互いの認識のズレを防ぐことができます。

納期を間に合わせるための「カット数削減」

最も避けたいのは、納期直前になって「間に合わないので枚数を減らしてほしい」と外注先から泣きつかれる事態です。これはプレゼンの質を著しく低下させ、設計意図を十分に伝えられなくなることを意味します。


【対策】

必要な枚数は事前に確定させ、増える可能性がある場合は早めに共有しましょう。その際、追加料金の有無と「いつまでなら追加対応可能か」のデッドラインを確認しておくのがよいでしょう。

「イメージが伝わらない」ことによる修正のループ

最も多い失敗は、意図が伝わらず「思っていたのと違う」パースが出来上がることです。言葉のニュアンスが汲み取られないと、修正依頼を繰り返すことになり、設計者様の貴重な時間が奪われてしまいます。


【対策】 

契約前に「建築資料をどこまで理解できるか」を確認しましょう。また、制作の早い段階でアングルやライティングの「アタリ(ラフ)」を共有してもらうフローを組むことで、手戻りを最小限に抑えることができます。

納期遅延が招くプレゼンの失敗

コンペや施主プレゼンの当日にパースが間に合わない、あるいはクオリティが低い。これは設計事務所としての信頼を失墜させる致命的な事態です。


【対策】 

最終納期だけでなく「中間チェック日」を明確に設定しましょう。また、万が一の修正期間を考慮し、プレゼンの2〜3日前を「最終納品目標」とした余裕のあるスケジューリングを外注先と共有しておくことが重要です。


  制作会社(組織)に依頼するメリットとデメリット

チームで建築パース制作に取り組む制作会社のオフィス風景。組織に依頼するメリットである安定した品質管理と、体制によるデメリットを比較解説するイメージ

パース制作会社は、マンパワーを活かした安定的な供給が最大の魅力です。しかし、組織としての規模が大きくなるほど、設計者様との「距離」や「コスト」に特有の課題が生まれることも事実です。


メリット:大規模案件への対応力と、組織としての保証

数十カット必要な大型開発や、数ヶ月に及ぶ長期プロジェクトの場合、チーム体制を持つ制作会社は心強い存在です。また、法人としての契約形態が整っている安心感もあります。


デメリット:担当者による質のバラつきと、間接経費による高単価

制作会社に依頼しても、実際に手を動かすのがベテランとは限りません。新人が担当になれば質は下がります。また、後述するように、制作費以外に多くの経費が乗るため、単価はどうしても高くなりがちです。


  制作会社の見積もりが「高い」と感じる理由

「制作会社の見積もりは、なぜこれほどまでに高いのか?」と疑問に感じたことはないでしょうか。実はその価格差には、制作スキルとは別の「組織運営」という側面が大きく関係しています。


パース1枚に乗る「制作費以外」のコスト

制作会社の見積もりには、純粋な制作実務のほかに、営業担当の給与、都心オフィスの家賃、広告宣伝費、そして進行を管理するディレクション費用などが含まれています。これらは組織を維持し、安定したサービスを提供するために必要な経費ですが、結果としてパース1枚あたりの単価には「実作業時間以外のコスト」が大きく上乗せされる構造になっているのです。


  個人事業主に依頼するメリットとデメリット

建築パースを制作する個人事業主の作業風景。フリーランスに外注する際のメリット(低コスト・柔軟な対応)とデメリット(リソース制限・品質のばらつき)を比較解説するイメージ。

制作会社が「組織力」なら、個人事業主は「個の専門性と柔軟性」が最大の武器です。設計者様にとって最も近い距離で伴走できる選択肢ですが、個人だからこそ注意すべき固有のリスクも存在します。


メリット:制作者と直通のスピード感、余計なコストの削減

個人事業主の場合、制作会社のような間接経費が少ないため、ほぼ「技術料」のみでの依頼ができます。また、窓口と制作者が同一人物であるため、話が早く、設計の細かなニュアンスがダイレクトに伝わるのが最大の特徴です。


デメリット:リソースの限界と、病欠などのバックアップ体制

最大の懸念は「その人が倒れたら終わり」という点です。また、一度に引き受けられる案件数にも限界があるため、事前のスケジュール確保・確認が不可欠です。


  スピード重視の設計実務に「個人事業主」がフィットする理由



伝言ゲームゼロ。制作者と直接話せるから、正確に伝わる

設計の細かな意図や「空気感」の指示が、営業マンを通さずダイレクトに制作者に届きます。この「阿吽の呼吸」こそが、タイトなスケジュールを乗り切る武器になります。

常連になってしまえば、パターンが分かってきますので口頭だけの指示で済み、早く指示を出すことが出来、指示書を省くことも可能になってくるので時間の節約にもなります。

さらに継続的なパートナーシップを築き、互いのスタイルが共有されることで、その効率はさらに加速します。例えば「以前のプロジェクトで採用したあの素材感で」「この部分は前回の別件のように」といった、過去の案件をベースにした共通言語で話せるようになれば、ゼロから詳細な指示書を作成する手間さえ省くことができ、設計実務における大幅な時短へと繋がります。


夜間・休日の緊急対応など、組織には不可能な柔軟性

「明日の朝のプレゼンまでに、ここだけ変えてほしい」といった、現場の切実な要望。組織(制作会社)では就業時間やオフィスの閉館といった「壁」がありますが、個人事業主は自宅兼事務所という形態で活動しているケースが多く、急を要する事態にも物理的に柔軟な対応が可能です。 まさに設計者の「右腕」として、土壇場のピンチに寄り添えるのは、個人事業主ならではの大きな強みです。


  制作会社に頼む前に確認すべきチェックポイント


誰が実際に制作するのか?:窓口と「実力の乖離」がないかを確認しよう

組織(制作会社)の場合、窓口となる営業担当者が建築のプロであっても、実際に手を動かすのは経験の浅い新人や外部のパートナーであるケースが少なくありません。「営業担当の知識量」と「制作者の技術力」が一致しているとは限らないのです。そのため、いざ制作が始まってから「指示が伝わらない」「図面が読めていない」といった乖離(ズレ)に直面しないよう、実際に担当するクリエイターの個人実績や、具体的なキャリアを事前に確認しておくことが重要です。


修正依頼に対する「組織内ルール」の確認

「軽微な修正なら即日、大きな変更は中1日」といった具体的なリードタイムを確認してください。組織(制作会社)の場合、社内ディレクターのチェックや他案件との調整で、たとえ微調整の作業でも「対応は週明け」となる独自のフローが存在することがあります。


プロジェクト期間中の「担当者変更」のリスク

長期案件の場合、社内の異動や退職で担当が変わってしまうリスクがあります。途中で「阿吽の呼吸」が途切れることは設計実務において大きなロスです。最後まで同一の担当者が責任を持って完遂する体制かどうかを確認しておきましょう。


  個人事業主に頼む前に確認すべきチェックポイント


実績が「本人の純粋なスキル」によるものか

ポートフォリオの中に、会社員時代の「チーム制作物」が含まれていないか確認しましょう。モデリング、ライティング、レタッチ等のすべてをその個人が完結できるスキルを持っているかどうかが、外注時のクオリティ維持の鍵となります。


「設計の意図」を汲み取るための対話スキル

単に指示通りに描く作業者ではなく、図面の不整合を見つけたり、収まりの矛盾を指摘してくれたりする「建築の知識」があるかを確認しましょう。最初の面談やメールで、実務レベルの話がどの程度スムーズに通じるかが、そのまま「対応力」の指標になります。


緊急時の連絡手段と、納期に対する「誠実さ」

個人にとって最大の武器は柔軟性ですが、同時に最大のリスクは「連絡途絶」です。万が一の際のバックアップ体制や、これまで納期遅延を起こした際のリカバリー方法などをオープンに話してくれる制作者は、プロ意識が高く信頼に値します。


  【実践】外注先への「最初の問い合わせ」で相手の力量を見極める方法

建築パース外注先への問い合わせで力量を見極めるポイント。ヒアリングの丁寧さやレスポンスの速さから、信頼できる業者かどうかを判断するためのイメージ。

気になる外注先を見つけたら、まずは一度コンタクトを取ってみましょう。ポートフォリオを眺めるだけでは分からない「本当の相性」は、最初の数回のやり取りで如実に表れます。以下の3つのアプローチで、相手の力量を確かめてみてください。


図面が揃う前の「検討段階」で声をかけてみる

あえて資料が不揃いな段階で、「〇〇平米くらいの規模で、いつ頃の納期が可能か」と打診してみましょう。


この時のレスポンスの早さはもちろん、「その規模なら、いつまでに図面をいただければ営業日〇〇日間でお出しできます」といった逆算のスケジュール管理を提案してくれるかどうかを確認してください。自分のキャパシティと進行管理を客観的に把握できている制作者は、納期トラブルを起こすリスクが低いです。また、図面が揃う前にあらかじめ声をかけて「スケジュール」だけでも押さえておけば、いざ資料が揃った時に慌てて依頼先を探す必要がなくなります。この初動の早さが、最終的なプレゼンのクオリティを担保する「心の余裕」にも繋がります。


修正や追加費用の「境界線」をストレートに聞く

「どの程度の変更から追加費用が発生するのか」「修正回数のカウント方法はどうなっているか」という、少し踏み込んだ質問をあえて投げてみましょう。

ここで曖昧な返答ではなく、例えば、「図面自体の変更は追加ですが、素材の色の微調整なら3回まで無料です」といった明確なルールを即答できる相手は、過去の経験値が高く、サービス設計が誠実である証拠です。


過去作の「制作意図」を一つだけ質問してみる

公開されているポートフォリオの中から気になった作品を選び、「このアングル(またはライティング)の狙いは何ですか?」と聞いてみてください。

「なんとなく綺麗だから」ではなく、「設計意図が〇〇だったので、そこが強調されるように広角で捉えました」などといった、言語化された回答が返ってくるなら、その制作者は「建築を理解しようとする姿勢」を持っています。この姿勢こそが、指示の手間を減らす「対応力」の正体です。



  まとめ:理想のパース制作は、信頼できる「右腕」選びから


「制作会社」か「個人事業主」か。その選択に唯一絶対の正解はありません。大規模なチーム力が必要なプロジェクトもあれば、個人の機動力と深い対話が鍵を握るプロジェクトもあります。

外注先を単なる「作業の外注」ではなく、プロジェクトの成功を共有する「右腕」として捉えたとき、自ずと選ぶべき相手は見えてくるはずです。


  • 大規模・長期プロジェクトで、組織としての安定したバックアップや物量を重視するなら、体制の整った制作会社がその真価を発揮します。

  • スピードと柔軟性、そして制作者と直接対話しながら細部を詰めたい実務重視の案件なら、フットワークの軽い個人事業主が心強い味方になります。


最終的に建築プレゼンを成功させるのは、スペック上の技術力だけではなく、「設計者の意図をどれだけ深く汲み取り、共に伴走しようとしてくれるか」という姿勢の有無です。

本記事でご紹介した「見極めのチェックポイント」を、ぜひ貴社の理想のパートナー探しに役立ててください。CGパースは、単なるきれいな絵ではありません。設計者の想いを具現化し、お施主様との架け橋になる重要なツールです。

貴社のプロジェクトが、最高のパートナーと共に素晴らしい成果に繋がることを、心より願っております。


建築CGパース制作 Seeker Creation公式ホームページ

 
 
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